ネットワーク設定

IPアドレスの変更・設定方法を完全ガイド|固定IPと動的IPの違い

IPアドレスを変えたいときに、どの設定を変更するのか、どの値を記録するのかを順番に確認できます。

2026年8月22日
IPアドレスの設定・変更で確認する回線、ルーター、端末の関係を示す図
IPアドレスの変更は、回線側・ルーター側・端末側のどこを変えるかで手順が変わります。

結論:IPアドレス変更は、まず「グローバルIPかLAN内IPか」を分ける

IPアドレスの変更方法は1つではありません。家庭や社内の端末に割り当てるプライベートIPなら、Windowsのネットワーク設定やルーターのDHCP予約を変更します。外部サイトから見えるグローバルIPなら、回線の再接続やプロバイダーの契約条件が関係します。対象を間違えて設定すると、ネットワークから切断されたり、プリンターやNASに接続できなくなったりするため、変更前の値を記録してから作業してください。

この記事でわかること

  • IPアドレスを変更する3つのレイヤーと見分け方
  • Windowsで自動取得と手動設定を切り替える手順
  • ルーターのDHCP予約で端末のIPを安定させる方法
  • グローバルIPが変わる条件と固定IPの考え方
  • 設定後につながらない場合の確認順と元に戻す方法

IPアドレスを変更する3つのレイヤー

「IPアドレス 変更」と検索したとき、実際には別の設定を指していることがあります。最初に、変更対象を次の3つに分けると手戻りが減ります。

変更対象見える範囲主な変更場所向いている目的
端末のプライベートIP家庭・社内LANWindows、Mac、Linuxのネットワーク設定機器の固定、検証、社内ネットワーク設計
ルーターのLAN/DHCP設定同じルーター配下の機器ルーター管理画面DHCP予約、配布範囲、ゲートウェイの管理
グローバルIPインターネット側回線の再接続、プロバイダー契約接続元IPの変更、固定IP契約、外部公開

端末に表示される 192.168.x.x10.x.x.x は、通常はLAN内のプライベートIPです。現在の外向きIPを知りたい場合は、先に現在のグローバルIPを確認して、変更したい対象と一致しているか確かめます。

固定IP・動的IP・DHCP予約の違い

固定IPは同じIPアドレスを使い続けるように管理された構成、動的IPはDHCPなどで自動的に割り当てられ、条件によって変わる可能性がある構成です。LAN内の端末をいつも同じIPで見つけたいだけなら、端末へ直接入力する固定設定ではなく、ルーターのDHCP予約を使える場合があります。

固定IP、動的IP、DHCP予約の違いをネットワーク経路で比較する図
固定IPは経路を安定させ、動的IPは割り当てが変わる可能性があり、DHCP予約はルーター側で端末とIPを紐付けます。

固定IPアドレスそのものの意味や、グローバルIPとLAN内の固定を区別する考え方は、固定IPアドレスの解説で詳しく確認できます。本記事では、設定や変更を実際に行う順番に絞ります。

WindowsでIPアドレスを設定・変更する方法

WindowsでLAN内のIPv4を変更する前に、現在の設定を保存します。コマンドプロンプトで ipconfig /all を実行し、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーをメモしてください。設定画面の名称はWindowsの版によって多少異なりますが、操作の考え方は同じです。

自動取得へ戻す手順

  1. 設定から「ネットワークとインターネット」を開き、接続中のアダプターを選びます。
  2. IP設定の編集で「自動(DHCP)」を選び、保存します。
  3. Wi-Fiまたは有線接続を一度切断して再接続し、ipconfig で新しい値を確認します。

手動で固定する手順

  1. IPv4のIP設定を「手動」に切り替えます。
  2. IPアドレス、サブネットプレフィックス長またはサブネットマスク、ゲートウェイ、DNSを入力します。
  3. 同じLANの別機器と重複しない値を選びます。ルーターのDHCP配布範囲内の値を勝手に固定するのは避け、管理範囲を確認してください。
  4. 保存後、ルーターの管理画面や他の端末へ接続できるかを確認します。
注意:IPアドレスだけを変更して、サブネットマスクやゲートウェイを古いネットワークのままにすると、同じLAN内でも通信できないことがあります。変更前の設定へ戻せるよう、入力値を控えてから作業してください。

ルーターでDHCP予約・LAN設定を変更する方法

家庭内のプリンター、NAS、監視カメラなどに同じLAN内IPを割り当てたい場合は、ルーター側のDHCP予約が管理しやすい方法です。端末のMACアドレスと希望するIPを登録し、ルーターが同じ端末へ同じアドレスを配布します。端末ごとに手動設定するより、ゲートウェイやDNSの配布を一元管理しやすい点がメリットです。

  1. ルーターの管理画面を開き、管理者パスワードでログインします。
  2. 「LAN設定」「DHCP設定」「接続端末一覧」などの項目を開きます。
  3. 対象端末のMACアドレスを確認し、DHCP予約または固定割り当てに登録します。
  4. 配布範囲と予約アドレスが重複していないか確認し、保存後に端末を再接続します。

ルーター自身のLAN側IPを変更する場合は、管理画面へアクセスするURLも変わります。変更後のゲートウェイを控え、ブラウザーで新しい管理アドレスを開けることまで確認してください。ゲートウェイの役割と確認方法はデフォルトゲートウェイの解説も参考になります。

グローバルIPを変更したい場合の考え方

外部サイトから見えるグローバルIPは、WindowsのIPv4設定を変えても同じ回線のままでは変わりません。動的な回線では、ONUやルーターの再接続、回線断からの復旧、プロバイダー側の割り当て変更などをきっかけに変わる場合があります。ただし、再接続すれば必ず変わるとは限らず、契約条件や設備の割り当て方式によって異なります。

接続元IPを許可リストに登録したい、VPNや自宅サーバーへ外部から接続したい、といった用途では、変わることを前提に運用するのか、プロバイダーの固定IPサービスを契約するのかを決めます。IP変更だけでプライバシー保護が完了するわけではないため、ログイン情報やCookieなど別の識別要素も考慮してください。

変更後に確認するチェックリスト

  1. 新しいIPを確認:ipconfig、Macのネットワーク設定、ルーターの接続端末一覧で値を確認します。
  2. 同一LANへ接続:ゲートウェイへ ping を行い、同じネットワークの機器へアクセスできるか確認します。
  3. インターネット接続:DNS解決とWebアクセスを確認します。IPは合っていてもDNSだけ誤っている場合があります。
  4. 周辺機器を確認:プリンター、NAS、共有フォルダー、VPN、許可リストの登録先を確認します。
  5. 重複がないか確認:警告や断続的な通信断がある場合は、IPアドレス重複の原因と対処を参照します。

変更後に通信できないときは、まず自動取得へ戻して原因を切り分けるのが安全です。サブネットの範囲を確認したい場合はサブネット計算ツールで検算し、手動固定が本当に必要かを再検討します。

よくある質問(FAQ)

LAN内のプライベートIPなら、Windowsなどの端末設定やルーターのDHCP予約で変更できます。グローバルIPは回線事業者の割り当てに依存するため、端末側だけでは変更できない場合があります。

LAN内IPを変えると、プリンターやNASなどの登録先を更新する必要が出ることがあります。グローバルIPの変更では、接続元IPの許可リストや外部公開設定に影響します。

家庭内の機器を同じLAN内IPで使いたいだけなら、ルーターで管理できるDHCP予約が扱いやすいことがあります。外部公開や接続元IPの許可リストでは、回線側の固定IPが必要になる場合があります。

動的IPではDHCPのリース更新、ルーターの再起動、回線の再接続、プロバイダー側の割り当て変更などで値が変わることがあります。LAN内IPかグローバルIPかを分けて確認してください。

IPアドレスだけでなく、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNS、DHCP配布範囲を順に確認します。解決しない場合は自動取得へ戻し、変更前に控えた値とルーターの設定を照合します。

IPアドレスを変えるだけで、すべての追跡や識別を防げるわけではありません。Cookie、ログイン情報、端末やブラウザーの情報など別の識別要素もあります。

まとめ

IPアドレスを変更するときは、まず端末のプライベートIP、ルーターのDHCP設定、回線のグローバルIPのどれを変えたいのかを確認します。家庭内機器を固定したいだけならDHCP予約、外部から同じ宛先へ接続したいなら固定IP契約など、目的に合った方法を選ぶことが重要です。

変更前のIP、サブネットマスク、ゲートウェイ、DNSを記録し、変更後は同一LAN、インターネット、プリンターやNASの順に確認してください。通信が不安定になった場合は、自動取得へ戻してからIP重複や配布範囲を切り分けます。