IPv4 RFC 1918 ネットワーク基礎

プライベートIPアドレス範囲一覧 | 10・172.16・192.168の違い

プライベートIPアドレスの範囲は、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3つです。家庭や社内LANで使う内部向けアドレスで、インターネットへ直接ルーティングされません。

2026年6月10日 IPアドレス基礎

結論:RFC 1918のプライベートIP範囲は3つだけ

IPv4で「プライベートIPアドレス」と呼ぶ範囲は、IETFのRFC 1918で定義された 10.0.0.0/8172.16.0.0/12192.168.0.0/16 です。

見分けるときは、先頭の数字だけで判断しないことが重要です。特に172系は 172.16から172.31まで だけがプライベートIP範囲です。

RFC 1918で定義された3つのプライベートIPアドレス範囲
プライベートIPアドレスは、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3範囲で定義されています。

「このIPアドレスは社内LANのものか、それとも外部から見えるグローバルIPなのか」を判断したいとき、最初に確認するのがプライベートIPアドレスの範囲です。家庭用ルーターでは192.168.x.x、企業ネットワークやVPNでは10.x.x.xや172.16.x.xがよく使われます。

ただし、プライベートIPの説明は「10、172、192で始まる」と省略されることがあり、この覚え方だけでは誤判定します。172.15.1.1はプライベートIPではありませんし、192.0.2.1も192で始まりますが、192.168.0.0/16とは別用途のアドレスです。

プライベートIPアドレス範囲の早見表

まずは、RFC 1918で定義されているプライベートアドレス空間を一覧で確認します。実務ではCIDR表記、開始アドレス、終了アドレス、よく使われる場面をセットで覚えると判断しやすくなります。

範囲 CIDR アドレス数 よく使われる場面
10.0.0.0 - 10.255.255.255 10.0.0.0/8 16,777,216 大規模企業、クラウドVPC、VPN、検証環境
172.16.0.0 - 172.31.255.255 172.16.0.0/12 1,048,576 中規模ネットワーク、Dockerや仮想化環境、社内LAN
192.168.0.0 - 192.168.255.255 192.168.0.0/16 65,536 家庭用ルーター、小規模オフィス、Wi-Fi LAN

172系の誤判定に注意

172.16.0.0/12 は、172.16.0.0から172.31.255.255までです。172.0.0.0/8全体ではありません。つまり、172.15.10.10172.32.10.10 はRFC 1918のプライベートIP範囲ではありません。

プライベートIPとグローバルIPの違い

プライベートIPは、家庭や会社などのローカルネットワーク内で機器を識別するためのアドレスです。一方、グローバルIPはインターネット上で通信相手から見えるアドレスです。多くの家庭やオフィスでは、ルーターがNATを使って複数のプライベートIPを1つのグローバルIPに変換しています。

比較項目 プライベートIP グローバルIP
使う場所 LAN、社内ネットワーク、家庭内Wi-Fi インターネット上
範囲 RFC 1918の3範囲 プライベートIPや特殊用途を除く公開用アドレス
重複利用 別々のLANなら同じアドレスを使える 原則として世界で一意に割り当てられる
確認方法 ipconfig、設定画面、ルーターの端末一覧 IP確認ツール、外部サービス、DNS問い合わせ
直接公開 インターネットへ直接公開されない 公開サーバーやルーターに割り当てられる

10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の使い分け

3つの範囲はすべてプライベートIPですが、使いやすさや設計の向き不向きが少し違います。家庭用ルーターでは192.168.0.0/16の一部がよく使われ、企業やクラウドでは10.0.0.0/8が選ばれることが多くあります。

10.0.0.0/8:大きなネットワーク設計に向く

10.0.0.0/8は3つのプライベートIP範囲の中で最も広く、約1677万個のアドレスを持ちます。拠点、部門、環境、VLAN、クラウドリージョンなどを大きく分けたい場合に余裕を持って設計できます。詳しくは10から始まるIPアドレスの完全ガイドでも解説しています。

172.16.0.0/12:中間的だが範囲を間違えやすい

172.16.0.0/12は、10.0.0.0/8ほど広くなく、192.168.0.0/16より広い中間的な範囲です。Dockerなどの仮想ネットワークで見かけることもあります。注意点は、172.16から172.31までに限定されることです。172で始まるだけではプライベートIPとは言えません。

192.168.0.0/16:家庭用LANで最も見かける

192.168.0.0/16は、家庭用ルーターや小規模オフィスでよく使われます。192.168.0.1、192.168.1.1、192.168.10.1のようなルーター管理画面のアドレスもこの範囲に含まれます。範囲は覚えやすい一方、拠点数やネットワーク数が増えると設計余地が足りなくなることがあります。

IPアドレスクラスとの関係

古い説明では、10.0.0.0/8をクラスA、172.16.0.0/12をクラスB、192.168.0.0/16をクラスCと表現することがあります。ただし、現在のネットワーク設計ではCIDR表記を使うのが基本です。

特に172.16.0.0/12は「クラスB 16個分」のように説明されることがありますが、実際に設計・設定するときは /12 として扱います。ルーティング、ACL、クラウドのサブネット設定、VPN設定では、クラス名よりもCIDRと開始・終了範囲を確認してください。

慣用的な呼び方 現在確認すべき表記 補足
クラスAプライベート 10.0.0.0/8 大規模ネットワーク向けに使いやすい
クラスBプライベート 172.16.0.0/12 172.16から172.31までに限定
クラスCプライベート 192.168.0.0/16 家庭用LANでよく使われる

プライベートIPかどうかを判断する手順

IPアドレスを見てすぐに判断したい場合は、次の順番で確認するとミスを減らせます。暗記に頼るより、範囲境界を意識する方が安全です。

  1. 10.x.x.xか確認する:10で始まるIPv4アドレスは10.0.0.0/8に含まれます。
  2. 172.16から172.31か確認する:第2オクテットが16から31なら172.16.0.0/12に含まれます。
  3. 192.168.x.xか確認する:192.168で始まるなら192.168.0.0/16に含まれます。
  4. CGNATや特殊用途を別に確認する:100.64.0.0/10、127.0.0.0/8、169.254.0.0/16、192.0.2.0/24などはRFC 1918のプライベートIPとは別です。

入力したIPの種別をすぐ確認したい場合は、IPアドレス種別判定ツールを使うと、プライベートIP、グローバルIP、CGNAT、ループバック、リンクローカルなどをまとめて判定できます。

よくある誤解と実務上の注意点

プライベートIPはLAN内で自由に使えるように見えますが、設計なしに範囲を選ぶとあとで衝突します。VPN接続、拠点間接続、クラウドVPC、取引先との閉域接続では、相手側のプライベートIP範囲と重複するとルーティングできないことがあります。

また、プライベートIPだから安全というわけではありません。LAN内では端末同士が通信できる場合があり、マルウェア感染や誤設定の影響範囲は残ります。ネットワーク分割、ファイアウォール、VLAN、ACL、端末管理などは別途必要です。

自分の端末がどのネットワークに属するかを確認したい場合は、IPアドレスだけでなくサブネットマスクも見ます。例えば192.168.1.10でも、/24なら192.168.1.0から192.168.1.255の範囲ですが、/20ならもっと広い範囲になります。境界確認にはサブネット計算ツールCIDR計算ツールが役立ちます。

公式仕様と関連する特殊アドレス

プライベートIPアドレスの定義は、IETFのRFC 1918で確認できます。現在の特殊用途IPv4アドレス全体を確認したい場合は、IANAのIPv4 Special-Purpose Address Registryも参照できます。

100.64.0.0/10はCGNATなどで使われる共有アドレス空間で、RFC 1918のプライベートIPとは別です。127.0.0.0/8はループバック、169.254.0.0/16はリンクローカル、192.0.2.0/24などはドキュメント用です。これらをすべて「プライベートIP」と呼ぶと設定判断を誤るため、用途ごとに区別してください。

FAQ

IPv4のプライベートIPアドレス範囲は、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3つです。RFC 1918で定義されています。

いいえ。172.16.0.0から172.31.255.255までだけがRFC 1918のプライベートIP範囲です。172.15.x.xや172.32.x.xは含まれません。

いいえ。RFC 1918の範囲は192.168.0.0/16です。192.0.2.0/24のように、192で始まっても別用途の範囲があります。

日常的には近い意味で使われますが、厳密にはローカルIPという表現は文脈依存です。IPv4のプライベートIP範囲を正確に示したい場合は、RFC 1918の3範囲で確認するのが安全です。

100.64.0.0/10はCGNATなどで使われる共有アドレス空間です。RFC 1918のプライベートIP範囲とは別に扱います。

まとめ

プライベートIPアドレス範囲は、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3つです。家庭用LANでは192.168.x.x、企業やクラウドでは10.x.x.x、仮想化や中規模ネットワークでは172.16から172.31の範囲を見かけることがあります。

判断で重要なのは、先頭の数字だけで決めないことです。172系は172.16から172.31まで、192系は192.168だけがRFC 1918の代表的なプライベートIP範囲です。迷ったらIPアドレス種別判定ツールで確認し、ネットワーク範囲はサブネット計算ツールで検算してください。